ガイド / コスト
アルミ切削加工の見積で費用はどこにかかっているか
2026年9月21日 執筆: Alu CNC Parts 編集部 / 確認方法(英語)
2社が同じ図面を見積もり、金額が40%違って返ってくることがあります。たいていはどちらも間違っていません。素材サイズ、段取り、表面処理をどこで行うかについて、異なる前提を置いているのです。
アルミ切削加工の見積に含まれているものを、おおよそ影響の大きい順に説明します。
固定作業:注文ごとに1回かかる費用
最初の切りくずが出る前に、誰かが部品をプログラミングし、どう固定するかを考え、治具を作るか段取りし、最初の1個を加工してプログラムを検証する必要があります。
1個だけの注文では、支払う金額の大部分がこれです。200個のロットでは目立たなくなります。単価が最初の数十個で大きく下がり、その後ほとんど動かない最大の理由がこれです。
同じ部品の再注文が初回より安くなるのもこのためです。プログラムも治具もすでにあります。再注文の際はその旨を伝えてください。一から作る見積では、それを前提にしないからです。
加工時間
部品が機械の上にある時間です。削り取る金属の量、除去できる速さ、形状に必要な工具交換の回数で決まります。
ここではアルミが有利です。鋼より数倍速く削れ、工具も長持ちします。アルミの試作品が数日で届くのはそのためです。
加工を遅くするのは形状です。深く狭いポケットには、重い切込みができない細長い工具が必要です。内側の角のRが小さいと、小径の工具を使わざるを得ません。内角Rが3 mmなら、加工会社は大きく剛性の高い工具で重い切込みができます。同じ角がR1 mmだと、小径工具、遅い送り、同じ結果を得るための何回もの追加パスが必要になります。
薄肉は極端な例で、送り速度が半分以下に落ちます。
完成品ではなく素材
費用は部品ではなくブロックに対してかかります。60 mmのプレートで足りるのに80 mmから描かれた部品は、余分な材料費と、それを削り取る余分な時間の両方を背負います。
役立つことが2つあります。標準の素材サイズに合わせて設計すること、そして価格だけでなく見積に書かれた素材サイズを確認することです。一つ上のサイズを前提にした加工会社は、そうしなかった会社より必ず高く見えます。
合金による割増
基準は6061です。7075と2024は1kgあたり2~3倍の価格です。MIC-6にも割増があります。
割増は元のブロックにかかるため、材料の大半が切りくずになる部品ほど影響が大きくなります。部品の重さではなく、ブロックのおおよその重さを計算すれば、合金が小さな項目なのか最大の項目なのかがわかります。
公差、検査、面粗さ
必要以上に厳しい公差は、遅いパス、別の工具、追加の工程を必要とします。
見落とされがちなのが検査です。一般寸法なら10個に1個の確認で済むかもしれません。±0.013 mmの穴は全数測定になり、見積に明記されていてもいなくても、その時間は価格に含まれています。
面粗さも同じです。Ra 1.6 µmは通常の仕上げ加工で得られ、追加費用はかかりません。Ra 0.4 µmは別の加工方法になります。
表面処理とロットの最低料金
アルマイト、化成処理、粉体塗装は、ほぼ必ずロットごとの最低料金がある専門業者に出されます。
小さな部品10個では、その最低料金が加工費を上回ることがあります。試作でこれに驚く方は後を絶ちません。表面処理を決める前にいくら追加になるかを確認し、少量なら化成処理やビーズブラストで安く済まないかを検討してください。
マスキングは手作業で、数量が増えても安くならないため、マスキング箇所が十数か所ある部品は、1個ごとにその費用がかかります。
数量
固定作業がより多くの部品に分散され、材料はより有利なサイズで購入でき、加工会社は1個あたりの手間を減らして加工できます。単価は最初の数十個で急に下がり、その後落ち着きます。
今年40個必要だとわかっているなら、10個ずつ4回ではなく、今40個で見積を取ってください。段取りの費用が4回ではなく1回で済みます。
発注者が実際にコントロールできること
上の7項目のうち3つ、つまり素材サイズ、合金、公差は、加工会社ではなくお客様の図面で決まります。節約できるのはそこであり、どれも価格交渉を必要としません。
出典
このガイドの数値は以下の資料と照合しています。公表値は試験材の代表的な範囲であり、お客様の部品を保証するものではありません。
よくある質問
なぜ1個だと50個に比べてこれほど高いのですか?
プログラミング、治具、最初の試し削りの費用は、1個でも500個でも1回かかります。1個ではこの固定費が価格の大部分を占めます。50個に分散すればわずかな割合になるため、単価は最初の数十個で急に下がり、その後は横ばいになります。
材料を支給すればコストを下げられますか?
場合によりますが、期待されるほど多くはありません。加工会社は業者価格で材料を購入し、材料証明とトレーサビリティも管理しています。材料を支給すると材料の責任もお客様に移るため、棒材の質別が違っていた場合、廃棄になった部品はお客様の問題になります。通常は、合金や素材サイズの条件を緩めるほうが得策です。
特急料金を払う価値はありますか?
場合によってはあります。特急料金で買えるのは順番待ちの先頭の枠で、その部品が高価な何かを止めているなら確かな価値があります。ただし、アルマイトの処理期間の短縮や材料の早期入荷は買えないため、支払う前に実際に何が早くなるのかを確認してください。